残り半分

話がまとまる前にやめとく派です

肉魂

今週のお題「肉」

肉、何はともあれ肉さえ食えれば良いと血眼になって食い散らかしていた時期はさすがにもう過ぎ去っていて、どちらかといえば、もっと食べればいいじゃん、食べちゃえよ、って他人が元気よく食う姿を目にするのが微笑ましいという、そういうお年頃になっています。

自分の、肉!肉!肉!と思ってた頃を忘れてしまっているので、たまに若い人の肉魂というか、肉に対する執着を侮って手痛い返り討ちに遭うことはある。肉バルで飲んだりすると、わたしの知らぬまに彼らはサーロイン尽くしのオーダーをひっそり頼んで、気づいた頃にはガッツリ平らげているので、お会計時にショッキングな数字を目にすると、やられたな!と思う。コロナの前のことですけど。

ついこの間ファーストアルバムをリリースしたばかりのバンド、Chilldspot(チルドスポット)がとても良いです。このアルバム今日だけで5回は聴いている。もしわたしが今もギターの練習を欠かさず続けていてロックバンドを組んだならこういう音を目指したいなあ、と思っていた音が、曲がここにあってびっくりした。

曲は「Groovynight」

そしてこの音を19歳の4人組が作っていることにさらにびっくりした。音作りが非常にこなれているというか、色々悟ってしまった境地というか。わたしが10代の頃、才能がないなりにいくつかバンドやパソコンで楽曲を作ったりしてましたが、やっぱり無音の状態や音の隙間があるとすごく不安になってしまって、フレーズの無音のところにちょっと音を入れたりしていたし、同じフレーズの繰り返しは間延びしてるような退屈な感じがして曲展開も目まぐるしく変えてしまっていたものです。チルドスポットの音楽は音に隙間ができることを恐れていないし、同じフレーズのループをグルーブが増す要素として確信を持って演奏しているのが良くわかる。アレンジがシンプルなのは、漫然とジャカジャカ弾くのをよしとしない、集中できる音だけを自分の演奏で鳴らすんだという強い意志の現れだと思います。ライブが絶対映えるバンドだと思う。

チルドスポットでもう一つ紹介したい曲は、「ネオンを消して」。これ彼らが高校生の頃の曲のようですが、ひたすら渋い。人の感性や想像力って本当にすごいなと思います。