この頃山の話ばかりで恐縮ですが、やっぱり山の話題、今回は雪山です。

こちらブログのサムネ用。日没後静寂の中、谷川岳山頂に張り出した雪庇と美しい空のグラデーション
雪山を初めてまだ3年目なわたしがコツコツ?ノロノロ?と経験を積んできていま準備していることは、雪山縦走をしてみたいなあ、ということです。憧れるのは野村良太さんが達成した「積雪期単独北海道分水嶺縦断」で、これによって彼は植村直己賞を受賞されました。壮絶なものとして語られがちな登山を、"幸せ"を主題に話す彼の本もとても良かった。
もちろん十二分に準備した若者が命を燃やし尽くして達成した北海道の縦走を、おっさんのわたしが真似できるわけがないので、当然その中身はスケールダウンしますけど、雪山縦走してみたい。それは先日の谷川岳冬季小屋泊を経験して(後述)結構強く思っちゃいました。
雪山というのは夏の山とはまったく異なるアクティビティで、勢いと体力だけではどうにもならない(逆に夏山はその2つで大抵どうにかなる)、リスク管理をしながら計画準備実行を繰り返すもので、大人の遊びと言われる所以はそこにあると思いますし、わたしが雪山登山を楽しいと思うところはまさにそのあたりです。雪山も色々あってスポーティーにひたすら登頂を目指すひとがほとんどですが、わたしは衣食住を雪山で過ごすことに喜びを見出すタイプのようで、どちらかというと登頂は2の次です。ひとりきり、山のど真ん中で静寂とともに目に映るのは、日中ならば青と白にくっきり分かれた美しい稜線であり、日没時にはオレンジ色に染まる山々とグラデーションする空、夜なら月が沈んだ後の満天の星、日の出のとき濃い陰影でくっきりした輪郭を形成する稜線とピンク色にやさしく染まる山肌。同じ山域でも毎回少しずつ異なるこれらの景色は日常では決して出会うことができません。ただわたしはいまのところ雪山ではテント泊・避難小屋泊でせいぜい一泊二日までしか経験がありません。それをもっと増やせるよう経験を積んでるところです。
そうしたところに北陸地方への転勤が決まりました。これまでの山の知識がすべて無になるほど北陸の雪山は様子が異なります。しかしこれはわたしが志向する雪山学習の絶好のチャンスだと思っています。初心に帰ってまずは北陸の山の春夏に慣れ親しみ、その後雪山に慣れて行こうと思ってます。
それと同じくらい雪山をするにあたり大切なことは周囲の理解です。そのための保険加入であり、無線捜索サービス入会、雪山技術講習受講や雪山ガイド登山、これらをひとつひとつ積み重ねて、自分の態度を示していく必要があります。そういう準備。
谷川岳一泊二日
以下は先日の谷川岳一泊二日の簡単な記録です。山頂直下にある、冬季管理人不在となる肩の小屋に泊まって1日を過ごしてみました。

1日目 谷川主脈と西陽

谷川岳山頂オキの耳は雪庇が張り出しているのであまり奥へ行ってはいけませんよ・・!

さきほどのオキの耳からトマの耳というピークを。谷川岳は雪山の時期も大人気で、日中は人がたくさんいるのです。

谷川岳の断崖絶壁も冬は雪に覆われて美しいなだらかな曲線に様変わりします。

山頂から15分ほど降ったところにある肩の小屋。今夜の宿です。食事や水はもちろん、トイレなし、寝具なし。携帯トイレや冬用シュラフなど必須です。

日が沈んでから、誰もいなくなったオキの耳。空のグラデーションが美しい。

小屋から出てオリオン座を撮影。このあと周囲は一瞬で濃い霧に包まれました。

月が沈んだ深夜、北の空。30分間星の軌跡を撮りました。左側の動きのない星が北極星です。

朝です。

オキの耳まで登ってコントラスト強い大雪庇を撮る。

柔らかなピンク色に染まるトマの耳。綺麗だ。

トマの耳と、左手奥に赤城山のシルエット

手前右にはかつて谷川岳と呼ばれていたマナイタグラ。左手奥には浅間山。

赤城山のシルエットは水墨画のようでした。

下山途中、ポツンと残る樹々

稜線にひとり発見

朝日は斜面に長い影を落とす

左真ん中に雪崩につながりそうな大きなクラック。登山道はこの斜面の真裏なので安全です。

ほぼ登山口まで戻り、谷川岳を仰ぐ
あと十年くらいはわたしなりに知力体力を尽くす登山をしたいと思っています。鍛錬を継続しなきゃなあ。