残り半分

話がまとまる前にやめとく派です

今週のお題「花粉」

花粉症3年目ともなれば心得たもので、2月下旬に一瞬だけわたしの鼻や目が花粉を検知したタイミングで薬を処方してもらったので、今のところうまく過ごせています。花は好きだけど「粉」の一文字がついた途端に大変嫌われるものになってしまうのが、なんとなくかわいそうではあります。

 

わたしが大好きなジャズボーカリスト、グレッチェン・パーラトの新譜が久しぶりにリリースされました。アルバム名は「フロール」。スペイン語で「花」の意味とのこと。

 

フロール

フロール

 

落ち着いた水彩色調のアートワークがわたしの好みです。Sybillaの大判ハンカチみたいな色調だと思った。

 

楽器編成について、これまではベース・キーボード・ドラムでしたが、今回からメンバーを一新し、チェロ・アコースティックギター・パーカッションとなっています。下の映像はアルバムの1曲目を飾る曲です。

チェロはベース(コントラバス)より音域が1オクターブくらい高いので、バンド編成においてギターやボーカルの中音域と干渉しやすいと思うのですが、聴いてみると良い意味で一体感があるし、同じフレーズが繰り返されるミニマルな編曲にとても良い効果を生んでいて、アコースティックの温かみを残しつつすごく耳に新しい音楽だと思いました。前作までの、グレッチェンパラート本人もその一翼を担っていたロバートグラスパーに代表されるいわゆるニューヨーク・ジャズとは今回少し異なっていて、元々民族音楽を専攻していた彼女の経歴が反映されつつあるのかなあと思いました。この辺はコロナの影響で街のライブハウスでの「シーン」「トレンド」がなくなってしまって、自分の内部にあるものと向き合わざるを得なくなったのかなあとか邪推したりも。

わたしはこのアルバムを「ながら聴き」していて今5周目くらいで、最初は「みんなアコースティック楽器中心だしなんか各曲変化に乏しいのかな」なんて思っていたんですけど、確かに前作までの最先端ジャズチームでイケイケな雰囲気に比べると少し渋めですが、注意して聴き比べると全曲リズムといいアレンジアプローチといいとても変化に富んでいることがわかってきます。気づけばこれしか聴いてないという。今後も飽きることなく愛聴盤になりそうです。