残り半分

話がまとまる前にやめとく派です

トイレ

今週のお題「好きなお店」

好きなお店がなくなってしまうと心にズドンとくるものがあります。お店がなくなる理由はさまざまで、単純に採算の問題であることが少なくありませんが、大変繁盛していても老齢な店主が引退するためであったり、本人はまだ若く健康でも父母の介護のために店を閉めざるを得なかったり、あと最近ショックだったのはマスターが仕込み中に突然亡くなったりといったこともありました。お店と懇意にすればするほど生々しい終わりの理由が耳に入ってきてしまい、そういうときは切なさがたいへん大きい。なくなったお店が通勤経路にあったりすると毎朝その前を通るたびにキュッと胸が締め付けられます。お店の雰囲気は、当たり前かもしれませんが店主のパーソナリティが色濃く反映されていて、つまりお店の良さとは店主とわたしとの相性であり、いままでわたしにとって好きなお店というのは、そこで働く人との関係性の良し悪しでした。ただ最初からいきなり店員の心に踏み込もうとするわけではなくて、例えばカフェの場合、トイレを見て店主のだいたいのパーソナリティや雰囲気を掴もうと試みます。イートインスペースがどんなに良い雰囲気を持っていても、トイレに入った途端学校のトイレのようなコンセプト無視な内装だったり、観光地お土産の人形やご家庭向けカレンダーが並べられていたりするのはちょっと苦手なタイプであると感じます。反対に、トイレや厨房にいたるまでデザインコンセプトに連続性があって、使われているテーブル、エアコン、植物の植木鉢やコンセントの色使いなどの細部にいたるまでデザインに統一性が感じられると、おおお、と感動して毎週通ってしまう。もちろんそういうお店のビターコーヒーは美味しい。しかしながら人というのはたいへんわがままな生き物で、隅々まで意識の行き届いたお店にある種の緊張感を感じて、そこにいると疲れてしまうことがあります。そんなときは、いつでもどこでも一定レベルを維持してくれるドトールコーヒーに行きます。ということで、わたしの好きな店は近所のドトールコーヒー。最近営業を再開してくれたのでたいへん感謝しています。

紹介する曲は、わたしが大好きなレーベルorigami PRODUCTIONSのアーティストで、関口シンゴのギターインスト曲North Wingです。落ち着いた雰囲気を過ごしたい時によく聴きます。


Shingo Sekiguchi - North Wing [Official Audio]