残り半分

話がまとまる前にやめとく派です

音楽と環境について

無茶苦茶面白いと思いました。超先鋭的・ラジカル。コールドプレイの記事についてです。

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マーティンさんは新アルバムの発表に合わせた世界ツアーについて、観客が飛行機で移動することで大量の温室効果ガスが排出され、環境への負荷が大きいとして行わないことを明らかにしました。
そのうえで、「1、2年かけて持続可能で、環境に有益な形でのツアーの在り方を検討していく」としています。

 

このごろは音楽CDの売り上げが落ち込み、そのかわり薄利多売なダウンロード楽曲販売が主な販路となっているようで、そうすると今後ミュージシャンの稼ぎどころとしてはライブの比重が大きくなっていくであろう、というコンセンサスを、この何年かの音楽関係の記事で頻繁に目にしてきました。ところがコールドプレイは、そのライブの開催について、環境負荷低減を理由に見直すというのです。

いいなあ、最高だなあと思いましたね。わたしにとってロックの好きなところは、周囲の感情や整合性をすっとばしてマイノリティーな態度を取ることです。だってですよ、はるばる来てくれたファンに対して、おまえのせいで環境が悪化してるんだ、と言っているわけです。いまは環境への配慮というキャッチフレーズはどこに行っても一般化していて、国内ライブ・フェスではゴミ分別推奨、プラ皿回避、ライブ照明低減、といった主に啓蒙側面での活動が見受けられるものの、ライブはあたりまえに開催され、そのことに疑問を持つ人はいなかったと思います。ライブそのものを止める可能性を示唆することは、傍目には自殺行為でしょう。環境と経済性というのは基本的に相反する関係にあるもので、経済合理性の立場からも、ファン心理の感情的な部分においても、今回のコールドプレイの態度は相当トガっているとおもいます。記事中での発言「環境に有益」ってフレーズ一つとっても、じゃあ「環境」とはどれにとっての環境なのか、人か、海洋か、自然森林か、人工林か、野生生物か、昆虫か、嫌気性・好気性微生物のどちらか、少し俯瞰的に見て温暖化か二酸化炭素か地軸の変動か生物多様性か、物質的な話か概念か、とにかくいろんな視点があり相当複雑な意味を含む難しい発言だと思いますし、何を「環境」と考えてどのような対応をしていくのか、そこからどういう音楽やビジネスが生まれていくのか、ごくごく他人事としての感想ではありますが、とても興味深いです。報道にコーフンして沢山書いてしまいました。

 

大コーフンして書いたわりにはコールドプレイの曲についてくわしくないので、かつてダウンロード無料配信を始めて大きな反響があったレディオヘッドのアルバム、in rainbowsから15stepです。浮遊感・チル感が大好きです。

 

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