残り半分

話がまとまる前にやめとく派です

師走を超え、師走を思う

今週のお題「大人になったなと感じるとき」

年取ったなと思うことは多々ありますけど、大人になったな、と思うことはあまりないような気がします。あるのかな?「俺も大人になったな

」とか安易に言っちゃう自分を許せないというか、そんな大した人間ではないだろうという謙虚な気持ちバージョンなんですよね、今日の気分は。でも明日になったら多分「俺も大人になったなあ」ってこのツラで言ってしまってもおかしくない、そんな程度です。

恐怖の師走をひいひい言いながらやり過ごしている間に、大好きなミュージシャンKan  Sanoさんがニューアルバムをリリースしていました。SNSをフォローしているはずなのに、全く気づかなかった。師走恐い。来年も師走が来るかと思うと、あと12ヶ月くらいあるけど本当に逃げ出してしまいたい。

SUSANNA [CD:通常版]

SUSANNA [CD:通常版]

  • アーティスト:KAN SANO
  • 発売日: 2020/11/25
  • メディア: CD
 

アルバムの内容はもう素晴らしい、前作ですでに、わたしの音楽の好みにビタっとマッチしていたそれが、さらに深まった。こうあって欲しいという方向に見事にハマっている。DTMと生演奏のブレンド感がライブの面白さを想起させて、こんな世の中でなければ正々堂々と仕事を休んでライブを見に行きたいアーティスト第一位です。

彼の音楽性を言葉で表すには多分相当の音楽知識が必要になります。ジャズがベースにあるのはわかるけれど(バークレー卒のピアニスト)、しっかりしたメロディーの歌があるし、ヒップホップ、エレクトロな世界観もしっかりどっしりと取り組んででいる。大変作り込まれている、というところまでは十分わかるのだけれど、1曲1曲の性質があまりに目まぐるしく変化するので焦点がうまく絞り切れなくて、常に意外性をもって翻弄され続けるのですが、アルバム1枚聴き終えると、そこには昔からのザ・Kan  Sanoとしか言いようのない一貫性があります。わたしが中学生の頃からジャジーというか、夜を感じさせる音楽を聴くのが好きなこともあって、根本的なところで音楽嗜好が合っているところが強く惹かれる理由なのかもしれません。

ここまで書いて、なんで今日こんなお題なのか今気づいた、そうか、成人式でした。この週末厳冬の中、街中を振袖姿で歩く若い子達を寒そうだなって思いながら目にしたり、神社でカメラマンをつけて写真を撮影されている子たちを見たのに忘れていました。多分今回、成人式や撮影会が中止になって、衣装を大勢に披露する機会がなくなってしまったんだろうな。街で目にした艶やかな振袖の色彩とは対照的に、寂しい成人の日だなって思って、ちょっと切ない気持ちになりました。(余談:当時のうちの子の振袖レンタル額も思い出して親目線でも切なくなりました。)