旅先でついつい漬け丼を食べてしまう。
「この旅では何もしない」宣言をしたものの、「結局本ぐらいは読むだろう」と2冊ほど鞄に収めていたのですが、本当に何もしなかったので読書をしなかった。テレビもつけなかったし、ただただ温泉に入って飯食って寝て温泉に入って飯食って寝て温泉に入って飯食って帰ってきました。後半は浴場から出るときにシャワーを浴びるのをやめてしまったので、いまにわかに硫黄の匂いを纏っているのが自分でもわかります。
帰りの駅のホームで、わたしの後ろに並んでいた壮年夫婦の奥さんが、「宿に泊まって過ごすのは本当に初めてで、初めて何もしなくて良くなっちゃって、どう過ごせば良いのか分からなくてずっと戸惑ってたけど、でもなんか新鮮な気持ちだった」と旦那に話すのが聞こえてきた。こういう機会でもなければそのまま一生いかなかったかもしれないね、こういう機会があってよかったね。とも言っていた。わたしもよかったね、と思った。
わたしも宿泊中、この8ヶ月ほどを振り返ったりしてみた。特に自分から言い出してはいないけれど業界を通してエッセンシャルワーカーと呼ばれるようになり、しかしわたしはいつもと変わらない仕事をせっせとこなすだけであり、しかしなぜか、そういういつもと変わらない仕事に対してリモートワーカーと呼ばれ始めた人々から間接的にツイートなどで感謝されたりしていたが、そういうのは特にいらないように思う。わたしとしてはSNS隆盛のこの時世においては、感謝より理解がほしいというのが、正直な思いです。そうすれば色々スムーズに物事が運ぶから。
なんてことを湯船でぷかぷか浮かびながら少し考えたけど、基本的にずっとお腹いっぱいで過ごしたために体重計が怖くて一度も乗れませんでした。来週からはストイックな食生活に専念したいと思います。
宿ではオーサムシティクラブを聴きました。