残り半分

話がまとまる前にやめとく派です

良い作品に会った

良い作品というのは、なかなか出会えないからこそ良い作品と言えるわけですが、なんと今日は二つも出会えたのでついつい書くことにしました。

ひとつは疲れた週末を癒してくれる、良質な音楽に出会えたことです。

Friday night plansの新曲"Unknown"

リズミカルなアレンジでBPMも早めだけど強引さが感じられないのは、鳴ってる音色ひとつひとつが柔らかくて優しいから。どこまでも心地よく、落ち着いて聴けます。良い。

Unknown

Unknown

  • Friday Night Plans
  • エレクトロニック
  • ¥255

 

もうひとつは、たまたま会社帰りに店頭で目にして買った漫画が良かったこと。タイトルが"リウーを待ちながら"という。リウーとは、カミュ著"ペスト"に出てくる医師のことで、つまりこの漫画は感染症をテーマにした物語です。作品自体は3年ほど前の2017年を初版とする漫画で、全3巻の短めな物語ですが、内容はとても濃密です。このコロナ騒ぎで再注目されてとても人気があるようで、入手困難なためAmazonではプレミアがついていました。この作品で描かれている、パンデミックに至る経緯や医学的知見を把握しようとする関係者の動き、情報統制の様子や地域差別、感染者や濃厚接触者の隔離、騒動の間の人々の本音と建前両面での心理状態、特別措置法下での政府や知事の動きや移動の自由に対する人権の扱いなど、3年前にここまで想像できちゃうのがすごいと感心しました。さらに面白さは作品のみで完結せず、Amazonのレビューを見ると、3年前に読んだ人のレビューでは、"現実味が薄いが引き込まれる"と評されていて、一方コロナ騒動後の今年4月以降読んだ人は、"とてもリアリティがある"、と評していることで、作品のテーマのひとつとおもわれる、"未知なるものへの対峙"という部分で、作品の内容からAmazonレビューに至るまで、多重構造の俯瞰性を成していて、大変面白いなと思いました。