今週のお題「マメ」
大ヒット登山漫画"岳"では、山でコーヒーを飲む場面がたくさん出てきます。
断崖絶壁を登攀中、突き出た岩に座ってつかのまの休憩をとるときや、雪洞を作ってビバークしてるとき、あるいは厳冬期にようやく見つけた遭難者に"よく頑張った"、と声をかけるときコーヒーを飲ませてあげたりと。
そんな漫画の影響もあってか、山を登り始めたら山頂でコーヒーを淹れて飲むのが夢ってひとは少なくない。わたしもその1人でした。
でしたっつーのは過去形なわけですが、過去です。登山を始めてひと月くらいでコーヒーを淹れるのはやめました。
上手にコーヒーを淹れる方法が、よくわからないんです。というのは、当たり前っちゃあ当たり前なんですけど、冷たいんですよね、山で淹れたコーヒーは。フィルターで濾してるあいだに冷めちゃうから最初のひと口から冷たい。
ただしインスタントコーヒーはお湯と混ぜるだけだからすぐには冷めないので、いまでも時々ザックに詰めるんですが、美味しいコーヒー粉をフィルターでポチャンポチャンといれようとすると、それはそれは冷たいコーヒーが出来上がります。その冷たいコーヒーを飲んだ時の理想と現実のギャップといったら、サンタクロースの正体を知って以来の夢が破れた感でした。なんだよう、と涙ぐんでいたと思います。
たとえばコーヒーを作ってサーモス水筒で持ち歩いてみたりもしましたが、サーモスはパッキンのゴム臭がコーヒーの香りと干渉してちょっとダメなんです。
たぶんわたしが知らないだけで、山頂であったかく美味しいコーヒーを淹れる方法があるのかもしれませんけど、最近はコーヒーはあきらめて、山頂で湯を沸かし熱々のインスタントポタージュを作って、ガチガチのフランスパンをナイフで輪切りにして漬けて食べるのが好きです。とっても幸せになれます。
下の写真は初冬に伊豆の天城山に登った時の写真です。立ってられないほどの爆風で、なかなか体験できない登山ができて面白かった。海はよく見えたんですが、富士山が少し雲に隠れてしまったのがとても残念で、その残念感を取り戻すべく、このあと富士山がバッチリ見れる山々を怒涛の勢いで登り続けました。
高台に建つ観測施設と海
途中から雪道に
枝の先に氷の粒が形成
富士山が見えそで見えないのでした