そう思い始めてから何年か経ちますが、書道教室に通いたい。
書道教室には子供の頃通っていたことがあり、当初は左利きの矯正として親に言われて通い始めたのですが、なんだかんだと小学校から高校卒業まで通いました。重ねた年月の分、段数はそこそこ上げましたが、今思い出すとセンスが全くない字を描いていたような気がします。先生に言われたことに耳を傾けずに自分だけの判断で描き続けていた。そのくせ勇気がなくてこじんまりした書体に終始して、何をそんなに恐れていたのだろうと当時の自分に聞いてあげたいくらいです。
そう書くと半分黒歴史のような習い事であったのですが、それでも12年続けたのは、精神を集中できる時間をしっかり確保できていたからだと思います。静謐な畳の部屋で、目の前の白い半紙が自分の世界の全てとなって、筆先の動きに感覚を研ぎ澄ましていたあの精神状態を今振り返ると、大変貴重な時間であったのだなあとつくづく思います。
いま、主に仕事においてになりますけど、集中できる時間というのは本当に限られます。常にものごとは同時進行で、何次元もの事柄を認識しながら集約すべき方向を示さなければならないし、また最近はプレイングマネージャーなんていうかっこいい言葉がありますが、言ってみれば下働きもガンガンやる上司、と言う意味な訳でして、ある時働きながら我に返って、今わたしはこれまでつけてきた筋肉の瞬発力のみで動いているのではないか、この状態はいつまで持つのかな、と常に幾ばくかの不安を抱えながら過ごしているのです。そういう日々を繰り返していてふと思い出したのが、腰を据えてじっくり取り組めていた書道です。そこに気づいたのが2年前で、ネットで近所の書道教室を探して、とある週末に門前まで確認しに行き、よし申し込もうと思った矢先のコロナ渦でした。
今度は、先生の言うことにしっかり耳を傾け、でも描くときは自由な気持ちで、グワッシャ!っと力強い書体で文字を残したい。
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