麺類の中では蕎麦が1番好きです。
振り返れば離乳食から今日に至るまでさまざまな麺類がわたしの体をするすると通り抜けて行き、そうして蕎麦好きに至ったわけです。
ここで話は少し変わりますが、充分わかったつもりでいた人から、全然知らない一面を見せられて、新たに強く惹かれてしまうことってありますよね。その時、普通に少しずつ惹かれていくよりも振れ幅が大きい分、心にクサビを打ち込まれ、強く想いを寄せることになることも少なくありません。
小学生の頃、いつも暴言を吐き、ちょっかいを出してくる子がいました。わたしは心の中でサル子と呼んでいた。ある昼休み、遊んでいたらサル子と正面同士でぶつかり、その時少しお互いの唇が触れた。サル子は戸惑いの表情でわたしから目を逸らした。あ、こんな側面あるんだ。以来、どうしてもお互い目を合わせることができず、しかも席替えで隣同士になり、すっかり困ってしまったことがあります。
今日、生まれて初めてコロッケそばを食べました。衝撃である。
ナニあの蕎麦つゆの染み込んだ衣のうまさよ。箸でつつくたびに2秒後には崩れ落ちそうになるその姿を、佳境に入った砂山崩しのように細心の注意で口に持って行く、その優しき愛の様よ。
わたしは蕎麦をわかったつもりで、何も理解していなかったのだと、ここにも1つの真実があったのだと打ち震えながら、汁に溶けたジャガイモも、ポロポロお碗の中にひろがったトウモロコシも、全て残さず完食して、いまここに記しています。
ああ、美味かった。
ジュリア・フォーダムの名曲です。ただただ、彼女の声がこの歌を成立させているとおもいます。ふくよかな倍音を含んだ地声と、鋭く冷たい裏声の対比。素敵です。
追伸
パスタもうどんも大好きです。